2008/8/15 インターファクス通信によると、グルジアのサアカシビリ大統領は14日、「ロシア軍はグルジアの領土の3分の1を占領し停戦合意を履行していない」と指摘する声明を出し、露軍が軍事作戦終了後もグルジア領内から完全撤退しないことを非難した。
一方、ロイター通信によると、グルジア政府と露軍の関係者が14日、グルジア中部ゴリで接触し、露軍の撤退に向けて協議した。
軍事作戦が行われた南オセチア自治州との境界に近いゴリには露軍が侵攻し、一般住民や報道関係者も死傷している。ロシア側は市街地攻撃を否定、郊外でグルジア軍が放置した兵器や弾薬を破壊しただけと主張している。
ブッシュ大統領はグルジアとロシアの戦闘の中、グルジアの首都トビリシの空港に人道支援を目的とし、米軍の輸送機が到着させ、危険な賭けに出た。ロシアはトビリシの空港閉鎖が出来たにもかかわらず着陸を許した。
米国はロシアに対しグルジアに対する関与を継続し、同時にこれ以上の悪化を望まないとのメッセージを伝えた。ロシアが熟慮する間もなく、米国は間髪いれない外交を見せ付ける。一方米・ポーランドは米ミサイル防衛の東欧配備を巡り、ポーランド国内に施設建設の合意をした。米ロ関係が次第に悪化する方向にある。
ドイツのメルケル首相はロシアのメドべージェフ大統領と会談しロシアを批判した。またライス国防長官はフランスのサルコジ大統領とグルジア紛争で協議したあと、グルジアに入り、サーカシビリ大統領と会談し問題解決に向け努力している。一方ロシアはグルジアから分離独立を目指す南オセチア自治州、アブハジア自治共和国の両外相を招き、分離独立の方策を検討する。常任理事国を目指す日本は国際的に、どんなメッセージを出せるのか。