2008/7/12 ツアー旅行の愉しみの一つは出会い。
10日間を3食共にするテーブルは組み合わせが、その都度異なり、会話が弾む。
今回は6組の熟年夫婦と新婚夫婦で計14名。
今日は漁業に詳しい方のレクチュアー。
ノルウェーは鮭(アトランチックサーモン)の漁場があり日本に輸出される。
さすが北欧、朝食のヴィキングは魚料理が豊富。
鮭、ニシン、鯖等、さらにニシンのマヨネーズ漬け、トマトケチャプ漬け等もあり楽しめる。
下の写真は当時繁栄したベルゲンのハンザ同盟当時の残されている商館で干し鱈を計量している様子。
今日の食事での話題は一万本に一本の割で獲れる「鮭児」について。
鮭には紅鮭、銀鮭、白鮭などいろいろな種類がある。
一般に“さけ”と呼んでいるのは、この中で白鮭のこと。
熟年夫婦はそれぞれの分野の達人、ジョークを交え気負いなく淡々と話す。
とっておきの話ばかりで面白い。
帰りの機中、食品コンサルタントの方から知りえない新鮮な話を伺い思い出となった。
白鮭は生まれて4年目の秋に生まれた川に産卵のために戻ってくる。
それを河口付近の沿岸で捕獲、そのときに翌年に産卵期を迎える未成熟のさけがまれに混ざってとれることがあります。
これが「鮭児」。
卵を持っていないため身に脂がのっていて味がよく、数がきわめて少ないことで珍重される。
そのため普通のさけに比べかなり高価とか。
「鮭児」の他にも白鮭はとれる時期により体色、味が違うことから、いくつかの呼び名で区別されている。
ときしらず『時鮭』は 初夏 秋の産卵期以前の初夏にとれるもので、時期ではないことから“ときしらず”、“ときさけ”と呼ばれる。
身に脂が多くのっていてきわめておいしい。数が少ないので値段も高い。
銀毛(ぎんげ) は 秋口にとれ、銀色の体色からこう呼ばれる。
身に脂がのっていて美味。
あきあじは秋 に一番多くとれる。
体にブナ化(黒・黄・桃色の混ざった雲状紋の婚姻色)した縞が入っていることから“ブナ”とも呼ばれる。
味は銀毛よりやや落ちる。
鮮魚だけでなく、新巻きや塩引きざけになり、卵は塩蔵されてすじこやイクラとして出回る。
Bブナは 晩秋にとれ、体全体がブナ化している。
業者間では“ブナ”と呼ばれる“あきあじ”に対して、味がワンランク落ちることから“Bブナ”と呼ばれている。
身はパサパサしているため、ふりかけなどの加工品に利用され、市場には出回らない。 (東京ガス:食の生活110番Q&A)