2008/3/27 産経新聞によれば米民主党の大統領候補指名をめぐり、外交・安全保障分野でただちに政権を担える「経験」を強調してきたクリントン上院議員は25日、ファーストレディー時代のボスニア訪問について、「狙撃されながらの着陸」と述べた最近の遊説発言を「誤りだった」と取り消した。「弾の下」をくぐった経験を大げさに自慢したかったようだが、当時の記録映像を検証した結果、歓迎式典が行われ、談笑する姿があり、狙撃されながらの着陸はなく米メディアに矛盾を突かれ、株を下げてしまった形だ。
問題となったのは、クリントン前政権時代の1996年、大統領だった夫とともにボスニア・ヘルツェゴビナを訪問したことに関する今月17日の発言。クリントン氏は、「狙撃されながら着陸したことを覚えている。歓迎式典の代わりに私たちは姿勢を低くして米軍基地へ向かう車に飛び乗った」と、劇画さながらに述べてみせた。
矛盾を突かれたクリントン氏は25日、ペンシルベニア州で「間違えたのよ。私だって人間なんだから」と述べ、開き直り気味の釈明を繰り返したが覆水盆に返らず。大統領候補がこのような事実で間違えるわけがなく、もし間違えたなら大統領の資質に疑問が投げかけられる。間違えたのよ、私だって人間なんだからとの発言は大統領選中としてはお粗末。金メッキが剥がれてしまう。
どんな優れた人でも心に一瞬の隙が生じ、事実が後で他人によって検証されるのは明らかにも関わらず、己を美化しようとの意識が先行する。誰にでも起こる見栄と慢心と驕りが失態を招く。まして優れていない私も同様の墓穴を掘る。