2008/3/12 京都三条の市松人形ギャラリー『朋』に寄る。
山田徳兵衛氏の『日本人形史』によると、「市松人形」という呼び名は、江戸時代の歌舞伎役者佐野川市松に由来するといわれています。
このような人形の特徴は、まず着付けや着せ替えのできる裸人形であり、上等のものは腰、膝頭、足首が曲がり立ち座りが自由にできる。
「朋」の人形のかしらや胴体の部分は、とくに胡粉(ごふん)という素材を使って製作される。
海の貝の殻を焼いて砕いた粉で、白亜(はくあ)ともいう。
胡粉を、膠(にかわ)という動物の骨・皮・腱などを煮た液体からつくる粘着剤と混ぜ合わせて、練りこんでいく。
練りこんだ材料を、型に流しいれる。
それが固まったら型からはずし、柔らかい布でていねいに時間をかけて磨く。そして眼や口などを彫刻刀でひとつひとつ切りだしていく。
そのようにしてはじめて艶やかで、ぬくもりのある肌と、細やかな表情をもつ人形の顔が生まれる。
ふくよかな顔立ちと、輝きをもつ人形に雅な生地で着付けさせ、凛とした佇まいを見せる。