2007/3/6 朝日新聞の天声人語によればローマ法王庁(バチカン)が、江戸時代初期の日本人キリスト教殉教者188人について、聖人に次ぐ「福者(ふくしゃ)」の敬称を与えることがほぼ決まったという。
福者は殉教や「奇跡」によって信者の規範になったと認められた故人にカトリック教会が授ける敬称。ノーベル平和賞受賞者のマザー・テレサ(1997年死去)も2003年、その列に加えられた。
188人は、江戸幕府によるキリシタン弾圧で1603~1639年の間、長崎、京都、米沢などで殉教した一般信徒が大部分。
その中にキリシタン大名の命により1585年にローマを訪れた天正遣欧使節の1人、ジュリアン中浦ら、聖職者の名前もある。天正遣欧使節はスペインのトレドで病に伏すも、その後ローマ法王に謁見し、8年の歳月をかけ帰国するが世は鎖国時代、転向を強いられるが拒否、逆さづりの拷問を受け、息絶える。
400年も前の殉教者に対する礼を忘れず、歴史を検証し続けるローマ法王庁の姿勢に学ぶ。
慰安婦問題に関し、日本を貶めることになるのではないかと恫喝し、過去の出来事を正しく検証、判断しない政府の姿勢は如何なものだろうか。
正しいか、正しくないかであり、貶めるとか、貶めないとかの問題ではなかろうに。