2005/10/18のニューヨークタイムズの社説は『東京の無意味な挑発』と題して小泉首相の靖国参拝を批判している。
記事によれば『日本の軍国主義の最悪の伝統を容認し、日本の戦争犯罪によって犠牲になった人々の子孫に対する計算ずくの侮辱だ』と語っている。
今回の総選挙で小泉自民党が圧勝したのは、小泉首相の戦略と度胸であったと思う。また小泉首相は歴代の首相や社会党でも出来なかった北朝鮮に二度出向き、前進をおさめた。これも大変な度胸だ。
小泉首相は国民を誘導する力量が抜群で、哲学、倫理観とはかけ離れ、どう演出すれば国民が大局を離れ、小さな局面で夢中にさせることが出来るかという戦術に、ずば抜けて長けている。
『無意味な挑発を何故繰り返すのか分らない』という指摘は小泉首相がいうところの『戦争で犠牲になった人に哀悼の誠をささげるのが何故いけないのか、いまだに分らない』との言葉と拮抗し、さらに相手と議論をマッチングさせようとする意思が全く見られないところから小泉政権での問題解決は難しい。
2005/10/24のワシントンポストのコラム欄に米国の政治評論家ロバート・ノバク氏の小泉首相へのインタビューに触れているが、そこで小泉首相は中国について『日本をライバルとする見方を促進し、反日の雰囲気を作り出すことが指導者にとって好都合なのだと思う』と語っていることが明らかになった。この手法は小泉首相が国民に取っている手法と似ていないか気になる。国の指導者は哲学を学び、高い倫理観が必要と思われるが如何か。