福井新聞によれば福井県敦賀市で敦賀ふぐの養殖や漁に取り組む漁師の中に、一風変わった肩書を持つ男性がいる。
地元で育ち、東京大学を卒業後、公認会計士として4年前までらつ腕を振るっていた山本彰彦さん(36)だ。
船上で網を振るう毎日だが、「分からないことも多いけど毎日が新鮮で楽しい。
まだまだ覚えることがたくさんある」と奮闘している。山本さんは漁師の祖父(87)と父(63)の姿を見て育った。
地元の小中学校から福井市内の高校を経て、現役で東大理科1類に合格。
卒業後は公認会計士の資格を得て、大手監査法人に就職した。順調なキャリアを歩みつつも「将来は地元に戻って親や祖父母の面倒を見たい」と思っていたという。
戻った現在は敦賀ふぐや敦賀真鯛の養殖を中心に、沿岸漁業を行っている。
休日に京都市に住む妻と子の元へ帰る日々を送っており「やりたいことを許してくれる家族全員に感謝している」と話す。ただ、海の仕事は一筋縄ではいかない。
「毎年、海や魚の状況が違う」と、戸惑うことも多い。2年前にはフグのいけすにシマダイが侵入し、大量のフグがかまれた。
今年は被害はなく「理由は分からないが周期があるという。漁師の経験則を覚えていきたい」と話す。
これまでに網を上げるウインチに手を巻き込まれかけるなど危険なこともあったが、「気を抜いたら命に関わる一方で、自由さや自然の壮大さ、新鮮さに触れられる。漁師をこれからも続けたい」と笑顔を見せる。
いい話だ。
コロナウイルス禍、バブリーな社会構造下にある個人も働き方や生き方を見直すチャンスとなる。