スリランカ初期仏教長老 アルボムッレ・スマナサーラ著『怒らないこと』は分りやすい。とかく仏教講話は凡人には理解しがたい世界に誘導され、腑に落ちずついていけないところがある。
アルボムッレ・スマナサーラは相手がなにか勝手な誹謗仲秋を言ったとしても、それで自分が本当になめられたわけではありません。何を言われても『どうぞ勝手に、どうぞ自由に』という態度でいればいいのですと語る。
続いてそういう心をもっていれば外からの攻撃にだいたい対処できてしまうのです。反対にスポンジのようにたっぷり吸い取ってしまったら負けなのですと説く。
最近満座の会議の席で、特定の人から声高に誹謗中傷され、相手は多数で私は一人、そのとき誹謗中傷に真っ向から反論せず、受け入れ、気持を引きずることなく冷静に対処し本来の議論に戻し、修羅場ではあったが、そのような事態を招いてしまった己の非力を嘆くも耐えたことで、結果的に己の内面を強くしてくれ、記憶に残る思い出となった。
この本を読み、あれでよかったんだと気持をおさめる。