毎日JPによれば鳩山由紀夫首相は4日、世界一危険な米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡り、沖縄県知事との会談では「県外ということで努力しているが、すべてを県外にということは現実問題、難しい。ぜひ沖縄の皆さんにも負担をお願いしないとならない」と県内移設の考えを表明。
高嶺善伸県議会議長との会談では「沖縄の皆様にも徳之島の皆様にも協力を願えないかという思いでお邪魔した」と語り、県内移設と鹿児島県・徳之島への一部移転の組みあわせ案を検討していることを明言した。
首相の発言は、「最低でも県外」としてきた「公約」を断念するもので、地元や社民党は反発している。
一連の日程を終えた首相は4日夕、名護市で記者団に「(最低でも県外と言った)当時、海兵隊が抑止力として沖縄に存在しなければならない理由はないと思っていた。学べば学ぶにつけて(海兵隊の各部隊が)連携し抑止力を維持しているという思いに至った。浅かったと言われれば、その通りかもしれない」と「県外移設」公約断念の理由を語った。
又沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、日米の外務・防衛当局の審議官級による本格的な実務者協議が4日、防衛省で行われ関係者によると、米側は、杭打ち桟橋方式について、過去の日米協議でテロの危険性が高いことを理由に却下した経緯などを指摘。徳之島案については、「沖縄の海兵隊陸上部隊との距離が離れすぎていて、運用上受け入れられない」と明確に反対する立場を表明した。
海外若しくは最低でも県外移設の公約断念の鳩山首相にマスコミと評論家が一斉に攻撃するが、真の独立国を目指してアンタッチャブルの懸案事項に踏み込んだ鳩山首相の姿勢は評価できる。
そもそも、この問題の原点は敗戦により無条件降伏し、連合軍により占領された時点から大きく変化していない米軍基地の現状から鑑みて、既得権を持つ米国と真っ向勝負できるかどうかにかかっている。米国依存からの脱却がかかっているが無理のようだ。敗戦ではないが英国も米国のプードル犬といわれ同じような政治課題を抱えている。
鳩山首相は米国に身を委ねる政治からの脱却を目指しているが壁が破れない。沖縄問題は国内問題でなく日米問題である。
また国内の利害関係でまとまらないでは米国の思う壺で、鳩山政権の失態となり辞任に追い込まれる無様な姿を国内外にさらしたくない。
さらには杭打ち桟橋方式では沖縄県内の土木業者では受注するノウハウが無く、経済との利害も絡んでいるとの報道もある。そして米軍の存在で生活を維持している人たちもいることから裏腹な問題も抱える。結局は努力したものの自民党政権時代の案に近づくことになる。