瀬戸内寂聴著『大切な人へ』は著者が交流した一流人物との出会いから別れのドキュメントが綴られている。
付き合わなければ知らない情報があり一流人物の生き様と死に際を垣間見る。
その中で川端康成さんがノーベル文学賞を受賞したことは、当時ノーベル文学賞の下馬評にあがっていた三島由紀夫さんに影響を与え、もし三島由紀夫さんがノーベル文学賞をとっていたら、あんな非業な死に方はしなかっただろうし、川端康成さんも自殺しなかったのではないだろうかと推し量っている記述があり、瀬戸内寂聴さんしか知らない、それぞれの胸の内を知る。
美空ひばりさんと小林旭さんとの離婚原因が語られ、そこには美空ひばりさんの一流人ならではのメンツがあり、なるほどと頷く。