2009/3/13 最近、静岡市中央図書館の麻機分館に出かけ、借りる機会が増えた。
今回は須藤靖貴著『池波正太郎を歩く』を借りる。池波正太郎作品の舞台となった地を尋ね、歴史に思いを馳せる紀行文風でもあり面白い。
池波正太郎作品の『おれの足跡』では吉良邸討ち入りのリーダーとして歴史に名を刻んだ大石内蔵助の熟慮し断行した足跡を尋ねている。
その中で池波正太郎氏は『人間というものは絶体絶命の逆境に立ったときでないと真価はあらわれない』と彼の人柄に強く魅了されたという。
また去っていく同志もいたが、それに対し『それが、人というものだ。去ったもの達が悪いのでもなんでもない。人というものは強さと弱さ、勇気と卑怯の二つの面をだれしも持っている。この、私だとして、いつどのような調子で、急に弱気になり、おぬし達の前から姿をくらますやも知れぬぞ』とあり、己にもありうる心の弱さをさらけ出す。