2008/11/30 日テレニュースによれば麻生首相(自民党総裁)と民主党・小沢代表による初めての党首討論が28日に行われた。小沢代表は第2次補正予算案の今国会への提出を求めたが、麻生首相は来年の通常国会の冒頭で提出する方針をあらためて示した。
小沢代表は冒頭で「この2年半で3人目の首相だ。近いうちに4人目になるのではないか」と麻生首相を挑発した上で、第2次補正予算案を提出するか、衆議院を解散するよう迫った。
小沢代表「近いうちに、4回目の首相と討論をしないといけない状況になりかねないと心配」「(第2次補正予算案を)今度の臨時国会には提出しない。本当に筋道の通らない国民への背信行為」
麻生首相「かねてお願いをしていた党首討論を受けてもらい、感謝。1次(補正)、2次(補正)、本予算と、この3つが一つの3段階と、それを含めてきちんと対応していくべき。月々、中小企業、小規模企業の資金繰りを見ると、この問題への対応はできる。貸し手側のことも考える必要があるので、金融機能強化法案を提出している。小沢党首のリーダーシップで、早急に参院で結論を出してほしい」
小沢代表「意図的に審議を引き延ばしてはいけない。(金融機能強化法案は)私どもは政府案と別の主張がある。修正協議に自民党も応じてもらいたい。もう一つの方法は、首相の初心に帰ることだと思う。今こうして来年に補正予算を送るというなら、今直ちに解散・総選挙をして、国民の審判を仰いだらいいじゃないか!12月に十分選挙ができるじゃないか」
麻生首相「私も解散というのは、一つの手段だと当初思っていた。ウソを言うつもりはありません。ただし、その後に起きている今の状況に、少なくとも100年に一度の金融災害、我々は第2の経済大国として、きちんとやっていくべきだと」
また、小沢代表は「首相の言葉はもっと重いものだと思う」と述べ、麻生首相の発言問題を追及した。これに対して麻生首相は「発言で一部誤解を与えたことはおわび申し上げている」と、あらためて陳謝した。
100年に一度の金融災害に遭遇する国際的認識の基に、日本が何をすべきかとのメッセージが伝えられず、相変わらず保身の為のやり取りに終始している。
このままでは日本は国際社会の地位を更に低め、太平洋は米中で支配することになるとの見方が米国にはある。その時も日本は内政に明け暮れし、与野党が非難応酬するだけの世界観しか持たないだろう。
今回の党首討論でも麻生首相はレトリックではぐらかし、小沢代表も攻めきれないでいた。この緊急事態に日本の二人のリーダーは国民に情けない姿を見せつけた。
己の利益しか考えない官僚と政治家が国民の生命と安全を守るなど戯言をいってもらいたくない。政治家は庶民を誑かすことぐらいがせいぜいで、麻生首相のにやけた笑いの中に国民を守る胆識もなく覚悟も見えない。