2008/2/19 読売新聞によれば北海道・新千歳空港で日本航空502便が無許可で離陸滑走したトラブルで、同便は当時、副操縦士訓練中の乗員(27)が無線交信を担当、社内の運航規程に反して、管制指示に対する復唱を怠っていたことが国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。
502便の副操縦士候補生は、管制官が16日午前10時30分ごろ、「ただちに離陸できるよう準備せよ。着陸機が滑走路を走行中」と無線で伝えただけだったにもかかわらず、離陸許可が出たと判断。さらに、同規程に反して復唱を怠り、離陸することを伝えず「了解」とだけ返答し、同33分、機長もそのまま離陸滑走を始めた。
同省では、「通常、『了解』とだけ返答して離陸することはあり得ない」とし、乗員が手順を守っていれば、管制官が誤りに気づき、離陸開始を制止できた事例と判断。日航に対し、〈1〉重要な無線交信については復唱する〈2〉乗員間での相互確認を行う--の2点について徹底を指示したという。
出張で飛行機の乗る機会があるが、航空機事故は一つ間違えば大惨事になり、集中力と精神力と判断力が求められる機長の仕事に敬意をはらう。
今回のように『EXPECT IMMEDIATELY TAKE OFF』の管制官からの指示があったにもかかわらず『IMMEDIATELY TAKE OFF』だけ聞き取り『EXPECT 』を聞き漏らしたという事態に、『EXPECT IMMEDIATELY TAKE OFF』という語彙の検討が必要ではないかと、ふと思う。
『ただちに離陸できるよう準備せよ』と『ただちに離陸せよ』とでは正反対となりリスクが大きい。ところで『EXPECT 』に『待て』という意味があることを初めて知る。
『期待する』しか知らなかった。