東京など都市は審査先のビルが特定できず、うろうろすることがある。従って前日の明るい内に企業先を特定しておく。当日の朝などは聞く人もおらず、皆職場へと急ぎ足だ。聞くのも気が引ける。
今回は目黒入り、街並みから路地に入ると坂があり歴史を感じる佇まいが残る。坂の一つに目黒雅叙園に向う行人坂がある。行人坂は大円寺を拠点とする修行道の行者が頻繁に行き来した為という。この辺は江戸三大火災の一つに上げられていた所。坂が多い街で他にも権ノ助坂等たくさんある。
目黒雅叙園ホテルは創業80年でリニューアルされ、和と雅の空間作りは見事、屋外に滝を見せ、小川を屋内に引き込む演出。まさに日本庭園。エントランスから続く1階フロアーは和のプロムナード。外資系の高級ホテルとは異なり、漆喰絵のような浮世絵の美人画が続くプロムナードを歩きながら存分に風雅な世界を見せてくれる。
ところで『目黒のさんま』という居酒屋が目についた。そう言えば、ここは目黒、落語の『目黒のさんま』で知られるところ。
話は江戸時代、将軍様が鷹狩りに目黒へやってきて、その時立ち寄った茶屋でさんまを食べ、焼いただけの素朴な料理、でも脂ののった旬のさんまは、普段手の込んだ料理しか食べていない将軍様にとって大変おいしく感じられたという。
城に帰った将軍様、目黒で食べたさんまの味が忘れられず、家来にさんまを出すよう命じるが、お城の料理方、庶民が食するさんまなど将軍様に出したことがない。でも気を利かし、さんまを油抜き・骨抜きにして蒸し、食べやすいようにして出し、それを食べた将軍様、何だかちっともおいしく感じられません。そこで一言、「さんまは目黒に限る」と言ったとか。(目黒区のホームペーシ゜より転載)