2007/12/14 毎日新聞によれば薬害C型肝炎訴訟で九州訴訟原告の福田衣里子さん(27)は会見で「国の責任を認めないでおきながら、口止め料のように原告だけに一部を払うから終わりにしてくれというバカにした骨子案。私たちを見くびらないでほしい。これで幕引きは許せない」と批判した。
血液製剤の投与時期によって救済範囲を限定する国の主張に沿った内容で、被害者全員の一律救済を求めていた原告側は「同じ被害を受けた仲間を線引きし、切り捨てる案だ」として受け入れを拒否した。
出生時に血液製剤クリスマシンを投与され、20歳の時に受けた検査でC型肝炎に感染した。インターフェロン治療の厳しい副作用に苦しみ、パン職人になる夢も奪われた。福岡地裁判決(06年8月)で敗訴したが、めげずに闘い続けると決めた。感染の原因を明らかにし責任を追及するのが、実名原告としての使命だと思った。
福田さんは和解骨子案について「ここまで来ても国の責任を認めさせられなかった。自分の無力さを悲しく思う。でも、思いは貫きたい」と涙した。
厚生省と天下り官僚で構成する製薬会社との共存共栄システムは国家が官業の利益を優先し、国民の目線で対応しようとする気はさらさらない。和解拒否で政治がどう動くか試される。処置を誤ると年金問題と連動し政権与党崩壊につながりかねない。