2007/9/24 本日、病院内で退任の記者会見。参議院選挙の大敗を受けても、戦後レジームからの脱却を旗印に憲法改正に向け、小沢さんを選ぶか、私を選ぶかと究極の選択を迫るものの、惨敗後も、私にはやるべきことがあるとして続投を宣言。
しかし臨時国会での所信表明直後に、小沢代表にテロ特措法継続についての会見を断られた事を理由に、新しい首相に問題解決を委ねるとして代表質問を受けることもなく、突然の辞任表明。前代未聞の事態。
これほど弱い国家権力者がいたかと思うと国民としても情けない。大昔ではあるが推古天皇が隋の煬帝に送った国書にあったように『日いずる処の天子、書を日没する処の天子に致す』と言っていた往時の勢いはなく、国力が劣化したことを内外に示してしまった。名門の出であるという程度の人物が国家権力者になる仕組であれば、利害関係国から雅の国、日本はくみしやすいと侮られる。
大人物が極めて少なくなったと思う。大物がいれば、このような事態にならないよう、周囲から国難を回避する方法があったろうに。健康上の理由として機能性胃腸障害というが誰でもかかる可能性のある病。職責が重いとはいえ、この程度の病名で退陣されてはかなわない。
記者会見ではやつれた姿が映り、声もかすれ、弱弱しく、退任の最大の要因は病気であるとも説明したが、その前にテロ特措法延長の目処が立たず、打開が困難と分り、これ以上総理の職を続けることが出来ないと往生窮まったからであろう。辞任理由が潔しとは言えない。これが安倍首相の美学の限界と理解すべきだろう。