2007/4/23 勝谷誠彦著『偽装国家』が新聞に宣伝していたので目に留まる。勝谷氏はコラムニストでテレビのワイドショウでは冷静さがなく過激なトークが特徴。
著者の過激な発言の故に、警戒もするが、『偽装国家』は面白い。国家を頂点とする偽装国家の中身は高校の偽装単位、車のリコール偽装、損保・保険会社の不払い偽装、電力会社の改竄偽装、耐震偽装、米国牛の安全偽装、公共施設の強度偽装、請負偽装など枚挙に暇がない。権力行使の裏側で官業の利益の為に辻褄併せの施策を続けることで、日本国が次第に溶解していくのが分らないのだろうか。
明治以来官業一体の利益を優先する政府の運営は庶民を犠牲にしながら進み、格差は拡大するばかり。庶民は平和ボケしたお笑い番組に時間を費やし、いつの間にか深く考える力をなくし、与野党を問わず政治家の思う壺に嵌る。最近頓に国民の国益を守る立派な政治家や経済人が少なくなったと感じる。安倍首相、御手洗日本経団連会長や福井日銀総裁等の国民に対する指導力にも翳りがあり、一流人物とは到底思えないのは私だけだろうか。
例えば安倍首相の5月訪米でダブルトークをしている慰安婦問題に関し米国メディアから問われた場合、どう答えられるか心配である。