2007/1/6 鬼平犯科帳等で知られる池波正太郎著の『食卓の情景』を読む。
時代小説で知られている一方、グルメのエッセイも出版され、この本は店の主人の心意気と食卓の情景がきめ細かく描かれ面白い。
とんかつやさんでは、なにか動かざる主人の空気の下、従業員の女そのものである彼女等の心地よい接待をうける店の情景が伝わる。さらに油の煮え加減とあげ加減が味を一層、引き立たせるという。
等など行きつけのお店の周辺から話ははじまり、お店に入り、帰りまでの食に纏わる人間模様がイキイキ書かれ楽しく読める。
読み進んでいくと東海道の丸子の項があり、とろろ汁で繁盛のC店に寄っているが、良かったとは書いていない。静岡の奥座敷、待月楼は丸子の奥で静かな佇まいであり、情緒があり、接待も心地よく評価している。