作家 遠藤周作氏の夫人 遠藤順氏著『70歳からの一人暮らし』は70代として参考になる。
本屋さんで70代をどう生きるかという本は少ない。
多分出版しても売れないだろう。
答えはないからだ。
人生の後始末をどうするかという本はあるが前向きなエネルギーは感じない。
読者側は己の人生の完成度如何にかかわらず、大なり小なり結論は出ており、人に言われなくとも納得しているからではなかろうか。
著者は子供を育て夢や仕事を育み、伴侶と人生を築いてきたわけですが、人生の終わりに近づくと、その実りや輝きを次々失う。
しかし主人の残してくれた仕事があり、『お一人で寂しいでしょう』と声をかける人はいない。
なるほど遠藤順子さんだからこそ出来る輝きであり、レアケースといえる。
70代をどう生きるか暗中模索中。
誰もが厭がる自慢話の70代にしたくない。
遠藤氏によればカルチャーセンターに通うのもいい、歌舞伎を見るのもいい。
それだけではなく、そこから得たエネルギーを『人に奉仕する』エネルギーに変えて死支度に向かうことをすすめる。
多分大多数は前段の人生で終わるだろう。
それでもいいじゃないか。