毎日新聞によれば韓国海洋警察当局は8日、日本海上で操業中の韓国のイカ釣り漁船「テスン号」(41トン)が北朝鮮当局に拿捕(だほ)され、調査を受けていると明らかにした。聯合ニュースによると、船長ら韓国人船員4人と中国人船員3人の計7人が乗船している。
海洋警察によると、テスン号は今月1日、韓国南東部・浦項(ポハン)市近郊の母港を出港し、9月10日に帰航する予定だった。7日夕、浦項漁業情報通信局に無線で位置を報告した後、連絡が途絶えた。8日午後、同通信局が衛星電話でテスン号に「北朝鮮警備艇にえい航されているのか」と呼びかけたところ「はい。(北朝鮮北部・咸鏡北道(ハムギョンプクド)金策(キムチェク)市の)城津(ソンジン)に向かっている」と返事をした後、通信が途絶えた。
海洋警察当局は、テスン号が北朝鮮の排他的経済水域(EEZ)を侵犯したのか、または公海上で拿捕・えい航されたのかについて確認を急いでいる。
日本海では、韓国海軍哨戒艦沈没事件への対抗措置として、先月25~28日、米原子力空母「ジョージ・ワシントン」などが参加して、大規模な米韓合同軍事演習が実施された。北朝鮮はこれに強く反発するなど朝鮮半島情勢は緊張している。
韓国人と中国人船員が乗船しているイカ釣り漁船拿捕は新たな緊張を生む。中国人船員の取扱い次第で、どう展開するか微妙。中国人船員が乗船していたのは想定外だったろう。
金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者である三男の擁立の過程で、国際的事件を起こし、国民を煽動し、後継を確かなものとするシナリオか。