文芸春秋夏号の『もう一度日本を旅する』で大竹昭子さんが『極私的名所の誕生』と題し、金子みすずさんの出身地 山口県長門市仙崎を訪ねている。
大正末期から昭和初期にかけて、26歳の若さで服毒自殺によりこの世を去るまでに512編もの詩を綴ったとされ、西條八十から「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛された。
仙崎はクジラで栄えた漁港町。
金子みすずさんが『大漁』という詩を残している。
朝焼け小焼けだ大漁だ
オオバいわしの大漁だ
浜は祭りのようだけど
海の中では何万の
いわしの弔いするだろう
絶対矛盾を承知で生きながらえている人間の無常を感じる。
金子みすずさんの詩、『蓮と鶏』 『ふしぎ』 『私と小鳥とすずと』 『さびしいとき』に教覚寺の南荘住職さんが作曲していることを知る。