産経新聞によればトヨタ自動車の豊田章男社長は9日、東京都文京区の東京本社で記者会見し、リコールの実施について、「品質についてご迷惑をおかけしことに対し、改めてお詫びします」と陳謝した。
トヨタは同日、ハイブリッド車(HV)新型「プリウス」などHV4車種、計約22万3000台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。ブレーキ制御装置の不具合が原因。国交省によると、不具合が生じたのは、急ブレーキをかけたときにスリップを防ぐ「アンチロックブレーキシステム(ABS)」の制御装置。コンピュータープログラムの設定が不適切で、ABSの作動中に凍結路面やでこぼこ道を通過すると、空走感を感じたり、一瞬ブレーキが利かなくなったりする恐れがある。
トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)の新型「プリウス」に「ブレーキが一時的に利かなくなる」との苦情が相次いでいる問題で、トヨタは4日、横山裕行常務役員(品質保証担当)が東京本社で初めて会見し、苦情は昨年秋から販売店を通じて寄せられていたことを明らかにした。販売済みの新型「プリウス」については自主改修を検討中で、国土交通省と近く協議に入る。新型プリウス以外のHVのブレーキについても点検に着手した。
横山常務役員は既存の新型プリウスの購入者らに対しても今後、「お客様が不満に感じられることは改善すべき問題。早期に方策を検討する」と述べ、自主改修などの措置を講じる方針を表明し、リコールには言及しなかった。米国に詰め寄られ社長が会見するという失態となった。社長がでる問題ではないという幹部の遠慮が事態の解決を遅らせたのか。
このようなことは誰にでも起こる可能性があるが、世界的ブランドの危機管理の未熟さを露呈した。日本にとって大きな損失となり、信頼回復が急がれる。社長の米国出張が検討されているという。