2009/6/26 第32回(2008年7月)世界遺産会議で文化遺産19件、自然遺産8件が追加され、そのうち世界遺産リストに初めて追加された国が4つある。
それはオセアニアに属するバヌアツとパプア・ニューギニア、そしてサンマリノとサウジアラビア。
オセアニアの小国バヌアツは2008年にユネスコ世界遺産に1600年ごろのロイ・マタ首長の領地が登録された。
ロイ・マタ首長の領地には敵対する当地の複数部族を統合、征服し、部族の長から王と呼ばれるまでになった伝説的首長であるロイ・マータと、彼の部下が埋葬された墓等がある。
現在のバヌアツ地域を統合し、王になったロイ・マータだが、兄弟間の骨肉の争いにより毒殺され、ファレス洞窟に、彼の家臣と共に葬られたと口承で伝えられている。
フェルズ洞窟は、レレパ島にある高さ35 m、幅52m、奥行き47mの洞穴で、伝説ではロイ・マタが死んだ場所とされている。
洞窟内の壁には彩色された岩絵や岩刻画が残されており、絵の具の放射性炭素年代測定の結果、ロイ・マタの時代の絵であることが明らかになっている。
大きく描かれた人物像の中には、ロイ・マタを描いたものが含まれている可能性も指摘されている。