2009/3/10 産経新聞によれば漆間巌官房副長官は9日午前の参院予算委員会で、西松建設の違法献金事件をめぐり「捜査は自民党議員に波及しない」と発言したとされたことについて、「特定の政党や議員について捜査が及ぶかどうか述べた記憶はない。メモを取らないオフレコの内容が誤って報じられた」と述べ、発言内容が誤って報じられたと釈明した。
漆間氏は、問題の発言が3月5日夕刻の記者懇談会だったことを認めた上で「同日の夜になって共同通信が配信し、真意が伝わっていないと大変驚いた」と強調。「発言は、一般論として(1)違法性の立証はいかに難しいか(2)金額の多寡は違法性の認識を立証する上で大きな要素。(被疑者から西松建設側への)請求書があるからといって立件できるかは疑問だ(3)検察がこの時期に逮捕した以上、被疑者が否認しても、起訴に持ち込めるだけの証拠を持っているのだろう-という3点を指摘した」と説明した。
その上で「懇談会は録音を取っておらず、今から立証はできないが、私の記憶では発言していない。マスコミが私の発言をどう取ったか、記者の認識の問題だ」と述べた。
警察出身の漆間官房副長官らしい見事な説明で、窮地を脱したと思っているだろう。記憶がないと言いながら、その一方記者の認識の問題と言い切る矛盾が透けて見える。これを受けて麻生首相も漆間副長官を擁護する姿勢をとる。
研ぎ澄まされた警察出身の人物が記憶がないわけないだろうに。功成り名遂ぐ人物が晩年に言い訳するのも見苦しいがこれも人間のなせる業か。
漆間副長官の説明責任で真実が闇に葬られていく様子が分る。真実が遠退き、自己保身の厚かましさが優先する。そして国家は歪められる。いつの時代も同じか。いずれにせよ自民党も民主党もどっちもどっちだということか。
麻生太郎首相は9日夜、西松建設の巨額献金事件をめぐり自民党議員への波及を否定した漆間巌官房副長官の発言について、「誤って報じられた」とした同日の参院予算委員会答弁を全面的に撤回した。
「漆間副長官の発言の趣旨と記者との受け止めの間にずれがあった。報道が誤ったわけではない」と述べた。官邸で記者団の質問に答えた。内閣記者会に所属する報道各社が首相サイドに答弁の修正を求めていた。
麻生首相の焦りが現れた場面だ。麻生首相が誤報から不適切だったと言い換える醜態。言い逃れしたい気持が先行する。